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コラム COLUMN

マウスピース矯正が失敗しやすい人の特徴と歯科医が教える対策法



透明で取り外しができるマウスピース型矯正は、見た目や生活のしやすさから人気のある治療法です。一方で、「思ったように歯が動かない」「治療が予定より延びてしまった」といった悩みを感じる方がいるのも事実です。

マウスピース矯正は正しく使用すれば有効な治療法ですが、一定の条件が揃わないと治療がスムーズに進まない場合もあります。この記事では、失敗しやすい傾向がある人の特徴と、その対策方法をわかりやすくまとめました。


マウスピース矯正とは? 基本を理解する

マウスピース型(カスタムメイド)矯正歯科装置は、透明なプラスチックの装置を段階的に交換しながら歯を少しずつ移動させる治療方法です。装置が目立ちにくく、食事や歯磨きの際に取り外しができるため、日常生活への負担が少ない点が特徴です。

治療前には口腔内スキャナーで歯列データを採得し、コンピュータ上で歯の動きをシミュレーションします。治療の基本は「装着時間」で、1日20時間以上 装着することが治療成功の大きなポイントになります。


マウスピース矯正のメリット

  • 透明で目立ちにくい
  • 取り外し可能で食事制限が少ない
  • 歯磨きがしやすく衛生的
  • 金属を使用しないため金属アレルギーの方も適応しやすい


マウスピース矯正のデメリット

  • 装着時間の管理が必須
  • 紛失・破損のリスクがある
  • 適応できない症例がある(重度の歯列不正、骨格性の問題など)
  • 自己管理が治療結果に大きく影響する

マウスピース矯正の期間はどのくらい?治療の流れと注意点をわかりやすく解説

マウスピース矯正にかかる治療期間の目安や、治療の流れ、事前に知っておきたい注意点をわかりやすく解説します。これから矯正を検討している方に役立つ内容です。

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マウスピース矯正が失敗しやすい人の特徴



ここでは、治療がスムーズに進まない場合に共通して見られる傾向を紹介します。


1. 装着時間を守れない人

マウスピース矯正は、1日20時間以上の装着 を前提に治療計画が作られています。
数時間の不足が積み重なると、歯が計画通りに動かず、マウスピースが浮いて噛み合わなくなることがあります。

旅行・飲み会・外食などで長時間外す習慣がある方は、治療が延びるリスクが高まります。


2. 自己管理が苦手な人

マウスピースは外したら必ず同じ場所に保管し、再装着の前には歯磨きをする必要があります。
紛失や未清掃のまま装着すると、治療の後戻りや虫歯・歯周病リスクが高まります。

こうした細かいルールが守れない場合、治療がうまく進まない要因になります。


3. 重度の歯並びの乱れがある人

マウスピース矯正は、軽度〜中等度の歯列不正を得意とし、大きな移動量が必要なケースは適応外となることがあります。

歯を大きく後退させる必要がある場合や抜歯スペースを活かした大幅な改善が必要な場合、ワイヤー矯正を併用した方が適切なケースもあります。


4. 骨格的な問題が大きい人

顎の位置関係に問題がある場合、歯の移動だけで改善が難しいことがあります。
精密検査で骨格の状態を確認し、必要に応じてワイヤー矯正や外科的矯正治療を併用するケースもあります。


5. 費用・手軽さだけで選んだ人



マウスピース矯正は見た目の良さから人気がありますが、「簡単そうだから」「安く済ませたいから」だけで選ぶと後悔する場合があります。

矯正治療は見た目だけでなく、奥歯の噛み合わせまで考えることが重要 です。
前歯の並びだけを整えた結果、噛み合わせに不具合が出るケースもあるため、治療計画を丁寧に確認することが大切です。


失敗を防ぐためにできる具体的な対策

ここからは、治療を成功へ導くために有効な方法を紹介します。


1. 信頼できる歯科医師へ相談する

マウスピース矯正は装置の見た目から「簡単な治療」に見られがちですが、実際には診断力や計画立案が治療の鍵を握ります。
歯列の形態・かみ合わせ・骨格など多くの要素を踏まえて適応かどうかを判断する必要があります。

当院では、レントゲン・口腔内スキャナー・セファロ分析など、複数の検査を組み合わせて精密に診断しています。


2. 治療前に十分な説明を受ける

以下の点を事前に確認することが重要です。

  • 全体矯正か部分矯正か
  • 歯の移動スペースの確保方法
  • 抜歯の必要性
  • IPR(歯と歯の隙間を削る処置)の要否
  • 想定される治療期間
  • 現在の口内環境で優先すべき治療の有無

納得した上で治療を始めることで、不安やトラブルを減らすことができます。


3. 装着時間を守る習慣をつける



スマホのアラームを利用したり、生活のルーティンに組み込むことで、装着忘れを防ぐことができます。

外したら専用ケースに入れる習慣をつけることも紛失防止に有効です。


4. 口腔内を清潔に保つ

食後の歯磨き、マウスピースの洗浄は必須です。
装着したまま飲食すると虫歯・歯周病リスクが大きくなるため、飲食前は必ず取り外してください。


5. 定期的な経過観察を受ける

マウスピース矯正は通院頻度が少ない特徴がありますが、定期的なチェックは必要です。
違和感がある場合は放置せず、すぐに相談してください。


治療後の後戻りを防ぐために

矯正治療後に歯並びが安定するには時間がかかります。
後戻りを防ぐために、保定装置(リテーナー) を適切に使用する必要があります。


リテーナーの重要性

治療終了後の歯は元の位置へ戻ろうとする性質があります。
リテーナーはこの“戻ろうとする力”を抑え、新しい位置に歯を安定させます。

当院では、治療後も定期的なチェックを行い、後戻りが起こっていないかを確認しています。


渋谷宮下パーク歯科・矯正歯科の矯正治療



当院では、患者さまの状況に合わせ、口腔内スキャナー・レントゲン・セファロ分析などを用いた精密診断を行っています。治療の流れや期間、費用、一般的なリスクをわかりやすくご説明し、無理のない治療計画を提案しています。

完全個室の診療室でプライバシーにも配慮し、衛生管理にも力を入れています。


治療期間・通院回数(当院基準)

  • 治療期間:1〜3年(全体矯正)
  • 通院回数:24〜36回(4〜12週間に1回)
  • 保定期間:1〜2年以上


費用

マウスピース型矯正(インビザライン)

症例

費用(税込)

軽度症例

    748,000円

中度症例

    858,000円

重度症例

    968,000円


部分マウスピース矯正

  • 327,800円/片顎


ワイヤー矯正

種類

費用(税込)

表側ワイヤー矯正

748,000〜968,000円

ハーフリンガル矯正

898,000〜1,118,000円


保定装置
(リテーナー)

  • 約2万円前後(片顎)


一般的なリスク・副作用

  • 歯の移動に伴う痛みや違和感
  • 清掃性低下によるむし歯・歯周病
  • 歯根吸収
  • 歯の動揺
  • マウスピースの破損
  • 治療後の後戻り


まとめ

マウスピース矯正は、見た目やライフスタイルの面でメリットが多い治療法ですが、自分自身で装置の管理をする必要がある点が治療結果を大きく左右します。
装着時間を守ること、治療前に十分な説明を受けること、衛生管理を徹底することが成功の鍵となります。

渋谷宮下パーク歯科・矯正歯科では、患者さま一人ひとりの状況に合わせた治療計画を作成し、治療中の不安や悩みにもしっかり対応します。治療を始めたいけれど不安があるという方も、どうぞお気軽にご相談ください。

著者情報

渋谷宮下パーク歯科矯正歯科 院長 山本 相春

 

【略歴】

2007年北海道医療大学 歯学部卒業後 北海道大学第一口腔外科 研修医

2008年大阪の審美・矯正歯科医院で勤務

2013年都内の歯科医院で分院長として勤務

2016年インビザライン矯正専門医院に勤務

2018年渋谷宮下パーク歯科・矯正歯科 開院

 

【資格・所属学会】

インビザライン認定医ダイヤモンドプロバイダー(年間150症例以上)

日本矯正歯科学会所属

日本歯科審美学会所属

日本成人矯正歯科学会所属

東京医科大学病院医療連携医

東京歯科大学水道橋病院医療連携協力医療機関

ニューヨーク大学2017年iACD DIPLOMA 所得

アリアスリンガルシステムワイヤーハンズオンコース修了

ASO Aligber認定医

ZERO system Basic Course 修了

Basic Course of Implant Orthodontic Treatment Course 修了

3i implant sinus approach advance course 修了