マウスピース型（カスタムメイド）矯正歯科装置（インビザラインなど）による治療を始めたばかりの方から、「アタッチメントが外れてしまったのですが大丈夫でしょうか？」というご質問をいただくことがあります。アタッチメントは、治療計画通りに歯を動かすために重要な役割を担うため、外れてしまうと不安になるのは自然なことです。
しかし、アタッチメントが外れたからといって、すぐに治療そのものがうまくいかなくなるわけではありません。外れた状況や治療の進行度によって対応方法が異なるため、正しい知識を知っておくことで落ち着いて対処できるようになります。
この記事では、アタッチメントの役割や外れた際の対応、外れにくくするための予防策を、分かりやすく解説します。
アタッチメントとは？ 役割と仕組み
アタッチメントとは、歯の表面に付ける小さな白い突起のことです。歯科用の樹脂（レジン）で作られており、歯と似た色調のため目立ちにくい構造です。表面がつるっとしている歯に動きを伝えるための“取っかかり”として、マウスピース矯正では重要な存在になります。
アタッチメントが果たす役割
- 矯正力を伝えやすくする
歯を回転させる・引き下げるなど、複雑な動きを補助します。 - 装置のフィット感を高める
マウスピースがずれたり浮いたりするのを防ぎ、計画通りの動きをサポートします。 - 歯の移動精度を高める
マウスピース単独では動かしにくい方向へ力をかけやすくします。
このように、アタッチメントは治療の進行をスムーズにするために欠かせない補助装置です。
アタッチメントの設置方法
アタッチメントは歯科医院で次のような手順で設置します。
- 歯の表面を清掃
- エッチング剤による前処置
- 水洗→乾燥
- 歯科用接着剤を塗布
- アタッチメント位置が形成された専用トレーを装着
- 光照射によって樹脂を硬化
- 余分な樹脂を整えて完了
虫歯治療の際のレジン充填と似た工程で、短時間で完了します。
アタッチメントが外れた時の正しい対処法
アタッチメントが外れることは珍しくありません。まずは落ち着いて、次の流れで対応しましょう。
1.次回の来院時に脱離した部分を付けなおす
医院での適合チェック時にアタッチメントの脱離の有無をこちら側で毎回確認しているので、アタッチメントが脱離した部分は再度付け直しをいたします。何か所か同時に脱離してしまった場合は医院にご連絡ください。
2. そのまま治療を継続するケース
アタッチメントの位置や治療ステージによっては、緊急で再設置しなくても問題がない場合があります。担当歯科医師が状況を判断し、次回の来院まで様子を見るようお伝えすることもあります。
3. 再設置が必要なケース
複数のアタッチメントが外れた、または治療計画に影響が出る位置の場合は、早めの再設置が必要です。間隔が空きすぎている場合は、来院日の前倒しをご案内することもあります。
4. 連休中など医院に連絡できない場合
痛みや違和感が強い場合を除き、連休明けのご連絡で問題ないケースがほとんどです。ただし、マウスピースが浮く・外れるなどの異常がある場合は早めにご相談ください。
アタッチメントが外れる主な原因
外れた理由を知ることで、次に外れるリスクを減らすことができます。
硬い食べ物を噛んだとき
せんべい・硬いパン・ナッツ類などは外れやすさにつながります。歯で強く噛み切る動作が影響することがあります。
マウスピースの外し方が適切でない
前歯側から無理に外す、片側だけ強く引くなどするとアタッチメントに負担がかかります。
咬み合わせが深い
上の歯が下の歯を深く覆う「過蓋咬合」の場合、アタッチメントに接触し外れやすくなることがあります。
口腔ケア不足によるレジンの劣化
汚れが付着し続けるとレジンが弱くなり外れやすくなることがあります。
装着時の癖や習慣
装置を咬みこむようにしてフィットさせている場合など、アタッチメントに不要な力がかかることがあります。
アタッチメントを外れにくくする予防策
外れにくい状態を保つためには、毎日の習慣が大きな鍵となります。
① 硬い食べ物の対策
硬いものは小さく切る、前歯で噛み切らず奥歯で噛む、など工夫をしましょう。
② 正しいマウスピースの着脱
【付け方】
- 前歯からはめる
- 奥歯へ向かって均等に押し込む
- 全体がきちんと密着しているか指で確認する
【外し方】
- 奥歯の内側から爪をかけて外す
- 左右均等に外す
- 無理に引っ張らない
③ アタッチメント周辺の丁寧な清掃
フロス・歯間ブラシなどを併用し、周囲の汚れを溜めないことが重要です。定期的なクリーニングも効果的です。
④ 装着時間を守る
装着時間不足によりマウスピースが浮き、アタッチメントに負担がかかることがあります。1日20時間以上の装着を心がけましょう。
渋谷宮下パーク歯科・矯正歯科のマウスピース矯正
当院では、初診時に患者さまの状態を丁寧に伺い、口腔内スキャナーによるデータ採得、レントゲン写真、セファロ分析などを行い、必要な治療計画を立案しています。診療室は完全個室で、プライバシーにも配慮した環境を整えています。
また、治療中にアタッチメントが外れた場合も、治療の進行状況に応じて再設置の必要性を判断し、適切な時期に対応します。
治療期間と通院回数（当院基準）
- 治療期間：1〜3年程度（全体矯正）
- 通院回数：24〜36回（4〜12週間に1回）
- 保定期間：1〜2年以上（リテーナー使用）
費用
マウスピース型矯正（インビザライン）
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症例 |
費用（税込） |
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軽度症例 |
748,000円 |
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中度症例 |
858,000円 |
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重度症例 |
968,000円 |
部分マウスピース矯正
- 327,800円／片顎
ワイヤー矯正
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種類 |
費用（税込） |
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表側全体矯正 |
748,000〜968,000円 |
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ハーフリンガル矯正 |
898,000〜1,118,000円 |
保定装置（リテーナー）
- 約2万円前後（片顎）
※矯正歯科治療は自由診療です。
一般的なリスク・副作用
- 歯の移動に伴う痛みや違和感
- 清掃性の低下によるむし歯・歯周病リスク
- 歯根吸収
- 歯の動揺
- 装置の破損
- 治療後の後戻り
まとめ
アタッチメントが外れることは珍しいことではありませんが、外れた位置や数によって必要な対応は異なります。まずは落ち着いて担当医へ連絡し、必要があれば再設置を行います。外れにくくするためには、正しい着脱方法や丁寧な口腔ケア、硬い食べ物への注意が大切です。
渋谷宮下パーク歯科・矯正歯科では、患者さま一人ひとりに合わせた治療計画を立て、治療中のトラブルにもきめ細かく対応しています。アタッチメントや治療に関する不安があれば、いつでもご相談ください。
著者情報
渋谷宮下パーク歯科矯正歯科 院長 山本 相春
【略歴】
2007年北海道医療大学 歯学部卒業後 北海道大学第一口腔外科 研修医
2008年大阪の審美・矯正歯科医院で勤務
2013年都内の歯科医院で分院長として勤務
2016年インビザライン矯正専門医院に勤務
2018年渋谷宮下パーク歯科・矯正歯科 開院
【資格・所属学会】
インビザライン認定医ダイヤモンドプロバイダー（年間150症例以上）
日本矯正歯科学会所属
日本歯科審美学会所属
日本成人矯正歯科学会所属
東京医科大学病院医療連携医
東京歯科大学水道橋病院医療連携協力医療機関
ニューヨーク大学2017年iACD DIPLOMA 所得
アリアスリンガルシステムワイヤーハンズオンコース修了
ASO Aligber認定医
ZERO system Basic Course 修了
Basic Course of Implant Orthodontic Treatment Course 修了
3i implant sinus approach advance course 修了