矯正治療を受け、治療が完了するまでの期間は、平均的には1年半~3年とされています。もちろんこれは人それぞれ個人差があり、中には5年近く治療が続いたというケースもあります。この期間中、一体どのくらいの頻度で通院したのか、その必要となる通院回数の具体的数字についてご紹介します。
多くの矯正治療では、矯正治療を完了するまで、ワイヤー矯正では月に1回程度、マウスピース矯正では2か月に1回程度の受診を必要としています。矯正部分や口腔内は日常生活の中で影響を受けます。中には矯正器具がずれることで、お口の中で傷を生じるケースもあります。こうした状態を確認するには、定期的なチェックが必要となります。矯正器具を装着したばかりのお口の中は、口内炎や舌のトラブルが起こりやすいもの。さらに慣れない患者さんはストレスも感じています。こうした状態を確認するためには、治療初期には最低でも1~2か月に1回以上の受診が必要になるのです。
こうした事情を背景に通院回数を計算してみましょう。たとえば月に1回の受診を2年間となれば、平均的な数字ではありますが、最低でも24回程度の受診は必要です。ただ、これはあくまでも平均的な数字を算出した場合のものですから、例外も起こりうることは想定しておくべきです。例えば、矯正器具が合わず傷を生じた場合、器具がずれてしまった場合には、突発的な通院が発生することになるでしょう。
またそれ以外にも受診の必要があります。例えば矯正治療を始める際には、まず口腔内の状態確認が必要です。さらにレントゲン検査などの必要も生じます。そして矯正治療を受ける前の相談なども必要です。こうした処置のための通院も含めると、24回以上の通院の必要が生じます。
また治療前だけではありません。歯列矯正が完了した後も、保定期間というのが大切です。矯正が完全に落ち着くためにはむしろ、この保定期間が重要ともいわれています。矯正の後、3か月に1回程度受診し、保定器具の状態を確認するための通院も必要となります。
この保定措置はおおむね1年以上必要とされていますから、3か月に1回とすれば、1年で約4回。
これらを単純に計算すれば、平均的な矯正治療の通院回数としては、矯正後の定期健診だけでもおおむね3年の間で12回程度。これに検査や相談の日数が加えられた数が平均的な通院回数となるようです。
矯正治療はデリケートな治療です。通院回数はそのデリケートな治療を支える大切な土台といえます。