みなさまこんにちは。渋谷宮下パーク歯科・矯正歯科の山本です。
今回は、親知らずの抜歯についてお話させていただきます。
親知らずはいつごろ生えてくるのか?親知らずはなぜ抜かなければいけないのか?親知らずを抜くのって痛いの?
などみなさんが疑問に思っていることを詳しく解説していきたいと思います。
1.親知らずとはどんな歯なのか?
人間はまず生まれたら乳歯という歯が生えてきます。
小学校卒業するころくらいまでに乳歯はすべて永久歯に生え変わります(例外もあります)
永久歯は乳歯よりも頑丈で、虫歯になりずらく、一度抜けると生え変わらないので人は死ぬまで永久歯を使っていくこととなります。
永久歯の数は決まっていて、中学生時代ごろには上下左右7本づつ計28本生えてきます。
しかし人間には8番目の歯が存在しています、これを親知らず(智歯とも呼びます)といいます。
この親知らずは、生えるタイミングが遅く大体18歳~25歳くらいに生えてくることが多いです
また親知らずは退化傾向のある歯なので、存在しない人もたまにいます。
完全に萌出していないと外から口腔内を見ても見えないことがあるため、生えていても気づかないこともあります。
2.なぜ親知らずは抜かなければならないのか?
顎の大きさが小さい現代人には親知らずが生えてくる場所があまりありません。
特に下の智歯などは横向きに生えていることが多く手前の歯につっかえてしまい、一生萌出しないケースが多くみられます。
萌出しないだけならまだ問題はありませんが、中途半端に出ていると虫歯や、その部位に歯周ポケットができてしまい食べかすが溜まったりします
そうなると親知らずの周りの歯茎が腫れて痛くなる智歯周囲炎という病にかかってしまうことがあります。
よく聞いたことのある親知らずが腫れた~というアレですよね。
生えかけている親知らずや、生えている親知らずもしっかりとブラッシングしてケアできていれば大丈夫なのですが位置的にかなり奥側にあるので、よほどちゃんと歯磨きができる人や、口腔ケアに関心がある人じゃない限り親知らずは虫歯になってしまう人が多いのです。
また横向きに倒れていて、どんどん歯が成長して大きくなってくる状態では手前の歯を押すため前歯の歯並びが悪くなってくるというケースがあります。
成年期にかけて歯並びが悪くなってきたな?と感じている人は、もしかしたら親知らずのせいで歯並びが悪くなってしまっているのかもしてません。
あとは噛み合わせがないパターンです、上の親知らずが正常に生えてきており、対合になる下の親知らずが横向きだったり無かったりした場合は噛み合わせとなる歯がないため、どんどん下の方向に挺出してきます。
こうなってくると下の歯茎に当たってきたり、ほっぺたを噛んだりする危険性があるためすぐ抜歯したほうが良いでしょう。
また親知らずを抜くと小顔になりるという噂もあります、この点は信ぴょう性は低いのですが、そういった説もありますとだけ言っておきます。
3.親知らずを抜くと痛いの?
ではみなさんも一番気になる抜歯の時の痛みについて説明します。
親知らずを抜くときに、はじめて歯を抜くという方もいらっしゃる人もいるかもしれません。
歯を抜くという行為はとても不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。
結論から言うと親知らずの抜歯時の痛みは生えている場所によると言わざるを得ません。
基本的には上顎は骨自体も柔らかく、まっすぐ生えてくることが多いため抜歯自体も簡単なケースが多く、痛みも少ないです
5分程度であっさり抜けて、抜いた後患者さんももう抜けたんですか?と思うことが多いです。
抜いた後の腫れや痛みも少ないため、抜く前に不安に思っていた方は拍子抜けに感じる方もいらっしゃいます。
逆に下顎の親知らずは抜歯を行う際に一筋縄ではいかないケースが多いです。
理由は
1、横向きに生えていることが多い2.骨の中に埋まっていることが多い3.歯が大きい場合が多い
4.上あごよりも骨が硬い5.下顎は構造上炎症が波及しやすい6.下歯槽管といって下顎の知覚をつかさどる神経が近いため抜歯の際にしびれが出ることがある、などです。
条件が上顎に生えている親知らずよりも悪いために一般的に抜きづらかったりします。そのため腫れや痛みも上顎の時よりも多くなることが多いです。
ただどちらにしろ腫れや痛みがでても一時的なものですし、1週間程度で落ち着くのでそこまで心配する必要はありません。
抜歯後は痛みや腫れをコントロールするために、十分に休息を取ったりしっかりと処方されたお薬を飲んでコントロールすることが大事です。
いかがでしょうか?親知らずという歯があるために人はその歯をケアしないといけなくなってしまいます。
親知らずが4本すべて正常に萌出し、しっかりと噛み合わせて咬合に参加していることは結構いまではレアなケースです。
中途半端な位置に生えていたりすることによって、様々な弊害が生まれます、ただ親知らずも昔は必要な歯であったことは間違いないでしょう。
でなければその歯が存在する理由がないはずがありません。
抜かないなら歯医者さんで親知らずのケアの方法をしっかりと教えてもらい、ちゃんと予防をすること。
また虫歯や歯周炎、歯並びが気になる人は早めに抜いてもらった方がいいでしょう。