こんにちは院長の山本です。
さて今日はインビザラインのアタッチメントについての解説をしたいと思います。
インビザラインは歯を徐々に動かした形のマウスピースを次々と取り換えていき、
歯を動かしていきます。
マウスピースの効果はこの前伝えたとおり、加える力を計算して作っているので、歯の移動距離や
移動速度、角度などによってステージ数は変わります。
その力を補助的に手助けをする機能がアタッチメントなのです。
それではインビザラインのアタッチメントとはどういったものなのでしょうか?
アタッチメントとは歯の表面に付けるでこぼこの半透明の突起物のことを指します。
これは歯科用のプラスチックでできており、もちろん人体には無害な素材です。
白色で歯の色と酷似しているものを使用しているので、歯の表面についていても思ったよりあまり目立ちません。
逆にアライナーを装着すると、そのアタッチメントが入るアライナーのふくらみの方が
ちょっと目立つぐらいです。
これは歯科用の接着剤で歯の表面についているため、脱着の際に力がかかるとポロリと取れてしまう可能性もあります。
もちろん取れるものでないと矯正が終わった後に全部外すので困りますよね。
そのためアタッチメントはちょうどいい力で歯の表面についています。
素材がプラスチックなので着色性のあるものを口にすると意外と色がついてしまいます。
コーヒー、お茶、カレー、赤ワインなどが染まりやすいです。
アライナーを外してから口にするとそれほど着色しないので、こういった色のついたものを飲食する場合は
必ずアライナーを外してから口にするようにしましょう。
ではアタッチメントは何のために付けるのでしょうか?これはいくつか理由があります。
第一の理由にアタッチメントはアライナーの維持のために用いられます。
アタッチメントがあると、脱着時にアライナーのくぼみにぴったりとはまり込むためアライナーを
口腔内に保持するために役立ちます。
アライナー自体にも保持力はありますが、アタッチメントが付くことによってインビザラインの保持力が大幅に増し外れずらくなります。
またアライナーのステージ数が進んでくるとアライナーと歯の間に隙間ができることがあります。
これはアライナーの動きに歯がついていっていない時に起きます。
歯科医院でチェックするときにこのアタッチメントとの隙間があると歯の動きのずれがわかり、
計画通りに動いているかどうか判定材料にもなるのです。
今回は詳しく知りたい方に解説しましょう。
まずこれは回転用のアタッチメントです.
歯の回転運動はローテーションといい、歯の動きの中でも予測実現性(達成率)の低い動きの一つです。
このような動きはアライナー単体では力がかかりづらいため、アタッチメントの力も合わせて動かしていくことが多いです。
アライナーとアタッチメントの力でねじれを治していきます。
それと似たようなアタッチメントとしてルートコントロール用のアタッチメントもあります。
これはアンギュレーションやトルクといって歯軸の傾きを変えるために設置します。
また前歯挺出用のアタッチメントもありオープンバイト(開口)を治療するときに用います。
オープンバイトとは奥歯が噛んだ時に前歯が噛まない状態のことを言います.
次は過蓋咬合(ディープバイト)治療用のアタッチメントです
前歯の噛み合わせが深く、噛んだ時に下の前歯が見えない状態をディープバイトと言います。
上下の小臼歯に設置して、臼歯を挺出させて前歯の噛み合わせが深い場合の改善に用います。
またマルチトゥースユニットといって第一小臼歯抜歯向けのアタッチメントもあります。抜歯したときのスペースクローズに有効です。
あとは臼歯部のオープンバイト予防用やサポート用などのアタッチメントもあります。
アタッチメントは付ければいいというものではなく位置と特性を考えて装着するとこが重要です。
あくまで補助的なものなので、アタッチメントのみの力で歯は動くものではありません。
適切なアライナーの装着、十分な装着時間、確実な治療計画があってこそ歯はきちんと動きます。
またその他の補助的な機能装置として代表的なのがバイトランプというものです。
これは歯に付けるものではなくアライナーについているものです。
アライナーの上顎前歯部の裏側に突起物としてついており、アライナーをつけたまま咬合すると下の前歯がこの突起に当たるように設計されています。
このことにより、アライナーをつけたままの咬合で臼歯部が離開することにより臼歯部の圧下を防いだりする効果があります。
もちろんどの状況で付けるかは、その時によって異なるため、付けるか付けないかは診断するインビザラインドクターの手にゆだねられることになります。アライナーのみでは動かすのに難しい場所にアタッチメントのような補助的な機能が設置されます。
どのような作用があるか知りながら使ってみるのも面白いかもしれません。