こんにちは、本日はインビザライン矯正(マウスピース矯正)の使用期間ついてお話をさせて頂きます。
まずインビザラインは歯列矯正治療なのでもちろん、歯列矯正に対しての専門の知識を持った歯科医師が治療計画をしっかりとたてるということが大前提となります。
ワイヤーによる歯列矯正にしろインビザラインによる歯列矯正にしろ治療計画がしっかりしていないと、患者が頑張っているのになかなか歯が予定通りに動かないという状態に陥ってしまします。
これではせっかくのモチベーションもさがってしまいますよね。
歯列矯正を行うには、治療計画をたてる先生が十分な経験と知識を持っているということがかなり重要であると思います。
よくワイヤーとインビザラインはどちらが早く歯が動きますか?との質問を受けることがあります。
これは比較するのはなかなか難しいのですが、自分がやってきた感覚としては現在ほぼ同じスピードといっていいのではないでしょうか。
インビザラインにはインビザラインの、ワイヤーにはワイヤーのいいところがあると思います。
歯を動かすためには動かしたい方向に、ある程度の力をかけていないと歯が動かないのは、
患者自身もなんとなく想像がつくと思います。
矯正治療で歯が動かせる最大移動量はおおよそ一ヶ月1mm程度といわれています。
つまりどんなに力をかけても、これ以上歯は早く動きません。
あまり強い力をかけすぎると、歯に余計な力がかかり、歯根吸収を起こしたり、
歯が傾斜してしまったりすることがあります。
つまり力は弱すぎても、強すぎてもだめなのです。
一般的にインビザラインはアライナー(マウスピース)一枚で0.2~0.25mm程歯を動かすことができます。
昔は1枚のアライナーにつき2週間ほど使用していただいていましたが、現在はアライナーの素材の進化で最短1週間で交換できるよう様になりました。
これはある程度の実績ができてきて1週間交換でも問題なく歯が動くという科学的な根拠が出てきたからです。
つまりインビザライン治療では1ヶ月に歯が移動する距離は最大1mm程度なので、
前述の歯の最大移動量1mmとほぼ変わりありません。
そのため理論上はこれ以上の力をかけたりする必要はないと考えられます。
もちろん歯の動かし方はかなり多彩で、一方向のみではないので、動かす方向によって十分な力が
かからなかったり、アライナーのみでは難しかったりする場合があります。
その場合は補助的に一時的にワイヤーを使用たりしたほうが良いケースがあります。
これは症例によってケースバイケースなので、先生が事前にじっくり診断して決めます。
全体歯列矯正では、成人の場合おおよそ1年~3年程度の期間がかかるといわれています。
自分が治療してきた患者達はだいたい1年半~2年くらいで終われる方が多いでしょうか。
歯を動かす隙間がない人は歯を抜いたりする必要があることもあるため期間が長くなる傾向が
あります。
また出っ歯や受け口を治すのにも歯の全体的な移動量が多くなるため期間が長くなる傾向が
あります。
そして矯正後には歯の後戻りを防止するために保定期間というものがあります。
これは最低3か月~6か月は保定用のマウスピースを使用していただき、移動後の歯列をしっかりと顎の骨に定着させる期間です。
この保定期間はかなり重要で、これを怠ってしまうとせっかく歯を動かして綺麗になった歯並びが
もとに戻ってしますことがあります。
またインビザライン治療では治療前にクリンチェックというデジタルシミュレーション画像を
患者ごとに作成します。
このクリンチェックは矯正治療を行う前に作成されるものなので、術者や患者がお互い治療計画をビジュアルにて確認できるというメリットがあります。
自分自身の歯並びがどのように治っていくか、そしてどれくらいの期間がかかるのか、
事前に確認できるということはかなりの安心感を得ることができます。
また事前に歯を抜いたりした場合や、歯を抜かなかった場合のそれぞれの治療計画をたてることもできるので
歯を抜いた場合はこれくらいの期間や歯並びになり、抜かない場合はこんな感じになります、などの比較画像もご提示することができます。
これは患者側にとってもわかりやすく、見ていただければかなり有効な判断情報になります。
もちろんクリンチェックはデジタルで作られるシミュレーションなので、実際に矯正をやってみると思い通りに歯が動かないなどの可能性は十分にありえます。
インビザライン治療を行っていくうえで最も重要なことは、治療を進めていくうえで、
シミュレーションと実際の歯の動きが違ってきた場合、術者側が瞬時にそのことに気が付き、
しっかりと修正ができるかということが重要です。
これはインビザライン治療をやってきた先生の経験や実績にも左右されるため、患者側もそのことを十分に考慮し自分の治療を任せれる先生を選ぶ必要があります。そのために治療の前にはしっかりと相談をさせることをお勧めいたします。