矯正治療中の虫歯治療

ワイヤーやブラケットを装着する歯の矯正治療中は、歯と矯正器具の間に汚れがたまりやすくなってしまうため、普段の歯磨き以上の丁寧なケアが必要となります。しかし、どんなに歯磨きやデンタルフロスなどでのお手入れをがんばっていても虫歯ができてしまうことはありますし、口腔内のケアとは別に、ちょっとした睡眠不足やストレスなどが虫歯の引き金となってしまうこともあります。 

一般的に、矯正治療中に虫歯ができてしまった場合は、できるだけ矯正器具を外さずに治療をすることとなりますが、虫歯治療方法については、虫歯の進行具合や虫歯ができた箇所によっても実際の対応が異なってきます。

例えば、初期のまだ小さな虫歯は、歯列の矯正中かどうかにかかわらず、経過観察となることがほとんどです。一方で、早期の治療や緊急の治療が適切な対応だと判断される大きな虫歯や痛みの強い虫歯などが見つかった場合は、一度矯正器具を外したうえで、虫歯治療が優先される場合もあります。そのケースは虫歯治療を優先するため矯正治療が一時保留となり、虫歯治療が一段落した後に矯正治療を再開するという流れが取られます。

 もし、歯が痛んで虫歯ができてしまったかもしれないという不安がある場合や、矯正治療中に歯や歯茎に違和感を覚える場合などは、できるだけ早めにかかりつけの歯科医院で相談するのをおすすめします。虫歯に限らず早めの対応ができるように、普段からちょっとした口腔内の違和感や痛みになどに気をとめておくことも大切です。

 また、矯正治療をする理由にはいろいろなものがありますが、歯列の美しさや見た目のよさなどの審美的な目的のほか、虫歯や歯周病などの予防や口腔内のケアのしやすさなどを目的として行なうこともあります。普段の歯磨きをがんばっているのに磨き残しが多いと感じている方や、今までに虫歯ができやすい歯並びだと歯科医院で指摘された経験のある方などは、ぜひ、虫歯予防や歯周病予防を目的とした歯科矯正を視野に入れてみるのもおすすめです。